鳶職人とは、仕事内容、年収、やりがいなどを解説
最終更新日：2024年7月14日
鳶職人（とびしょくにん）は、高所作業を中心に建設現場で足場の組立や解体、鉄骨の建方などを行う専門職です。建設現場において、安全かつ効率的な作業をサポートするための重要な役割を担っています。本記事では、鳶職人の仕事内容、年収、必要なスキル、やりがい、そしてなり方について詳しく解説します。
鳶職人の仕事内容
足場の組立・解体
鳶職人の主な仕事の一つは、建設現場での足場の組立と解体です。作業員が安全に高所作業を行えるよう、安定した足場を設置します。また、工事が終了した後には、足場の解体を行います。
鉄骨の建方
大型建築物の建設現場では、鳶職人が鉄骨の建方を担当します。クレーンを使って鉄骨を所定の位置に配置し、ボルトや溶接で固定します。高精度な作業が求められるため、技術と経験が重要です。
仮設構造物の設置
工事現場では、仮設構造物の設置も鳶職人の仕事です。仮囲いや仮設階段、仮設橋など、工事中に必要な仮設構造物を設置し、安全な作業環境を提供します。
重機の操作
鳶職人は、クレーンや高所作業車などの重機を操作することもあります。これらの重機を使って資材を運搬したり、高所での作業を行ったりします。重機の操作には資格が必要です。
現場の安全管理
鳶職人は、現場の安全管理にも関わります。高所作業のリスクを最小限に抑えるため、安全帯やヘルメットなどの安全装備の確認、作業手順の遵守を徹底します。
鳶職人の年収
平均年収
鳶職人の平均年収は、約350万円から500万円程度です。これは、勤務先の企業や役職、業務内容、経験年数によって異なります。大規模な建設プロジェクトや高い技術を持つ熟練の鳶職人の場合、さらに高い年収が期待されることもあります。
初任給と年収
鳶職人の初任給は約20万円から25万円程度で、年収に換算すると約250万円から350万円程度となります。これに加え、経験を積むことで年収が増加することが期待されます。
年齢別の年収
鳶職人の年収は、経験とともに増加します。以下は、一般的な年齢別の平均年収の例です。
- 20代: 平均年収は約250万円から350万円です。初任の職人として経験を積み、基本的なスキルを習得します。
- 30代: 平均年収は約350万円から500万円です。中堅の職人として、より責任のある業務を担当します。
- 40代: 平均年収は約500万円以上です。ベテランの職人として、部下の指導や重要な工事を担当します。
鳶職人になるには
高校卒業または同等の学歴
鳶職人になるためには、特別な学歴は必要ありませんが、高校卒業または同等の学歴が一般的な最低条件です。学歴よりも、実務経験や適性が重視されることが多いです。
見習い期間
鳶職人として働くためには、見習い期間が必要です。経験豊富な職人のもとで実務経験を積みながら、技術を習得します。この期間は数年にわたることが一般的です。
資格取得
鳶職人としての専門性を高めるために、資格を取得することが推奨されます。例えば、「足場の組立て等作業主任者」や「玉掛け技能者」、「高所作業車運転技能者」などの資格があります。これにより、専門知識やスキルを証明し、キャリアの向上に役立てることができます。
鳶職人に求められるスキル
高所作業の技術
鳶職人には、高所作業の技術が求められます。安全かつ効率的に高所作業を行うための技術が必要です。
体力と持久力
鳶職人の業務は、体力を必要とすることが多いです。高所での作業や重い資材の運搬など、体力と持久力が求められます。
コミュニケーション能力
鳶職人は、他の職人やスタッフとのコミュニケーションが重要です。円滑なコミュニケーションを通じて、工事をスムーズに進める能力が求められます。
安全管理能力
鳶職人には、安全管理能力が求められます。高所作業のリスクを最小限に抑えるため、安全装備の確認や作業手順の遵守を徹底する能力が重要です。
重機の操作技術
鳶職人は、重機を操作することが多いため、重機の操作技術が必要です。クレーンや高所作業車の操作に関する資格を取得し、技術を習得します。
鳶職人に向いている人
高所作業が得意な人
鳶職人は、高所での作業が多いため、高所作業が得意な人に向いています。高い場所での作業に対する恐怖心がない人が適しています。
体力に自信がある人
鳶職人の業務は体力を必要とするため、体力に自信がある人に向いています。長時間の作業に耐える体力と持久力が重要です。
手先が器用な人
鳶職人は、細かい作業が多いため、手先が器用な人に向いています。精密な作業を楽しめる人が適しています。
鳶職人の働く環境
建設会社
鳶職人は、建設会社に所属して働くことが一般的です。さまざまな建設現場で足場の組立や解体、鉄骨の建方などを担当します。
専門工事会社
鳶職人は、足場工事や鉄骨工事を専門とする工事会社に所属して働くこともあります。特定の工事を専門に行うことで、技術を磨くことができます。
自営業
一部の鳶職人は、自営業として独立して働くこともあります。自分のペースで仕事を進めることができ、自由度が高い働き方です。
鳶職人のやりがい
大規模な建物の建設
鳶職人は、大規模な建物の建設に携わることが多いため、その完成を見ることに大きなやりがいを感じます。自分が関わった建物が完成し、多くの人々に利用されることが喜びです。
技術の習得と向上
鳶職人は、技術の習得と向上に努めることで、自身の成長を実感できます。高度な技術を習得し、それを実践することにやりがいを感じます。
チームでの達成感
鳶職人は、他の職人やスタッフと協力して作業を進めるため、チームでの達成感を感じることができます。チームワークを通じて、大きなプロジェクトを成功させることに喜びを感じます。
鳶職人の課題
高所作業のリスク
鳶職人は、高所での作業が多いため、常にリスクと隣り合わせです。安全装備の確認や作業手順の遵守を徹底し、リスクを最小限に抑
えることが重要です。
体力的な負担
鳶職人の業務は体力的な負担が大きいため、長時間の作業や重い資材の運搬に耐える体力と持久力が求められます。健康管理が重要です。
天候の影響
鳶職人の作業は、天候の影響を受けやすいため、天候によるスケジュールの変更や作業の中断が発生することがあります。柔軟な対応が必要です。
鳶職人の将来展望
建設需要の増加
建設需要が増加している中で、鳶職人の役割はますます重要になります。都市開発や再開発プロジェクトの増加に伴い、鳶職人の需要が高まっています。
技術の高度化
建設技術の高度化に伴い、鳶職人の技術も進化しています。新しい技術や方法を習得し、現場での効率性と安全性を向上させることが期待されています。
まとめ
鳶職人は、高所作業を中心に建設現場で足場の組立や解体、鉄骨の建方などを行う専門職です。仕事内容は、足場の組立・解体、鉄骨の建方、仮設構造物の設置、重機の操作、現場の安全管理など多岐にわたり、年収は約350万円から500万円程度です。鳶職人になるためには、高校卒業または同等の学歴、見習い期間、資格取得が必要です。求められるスキルには、高所作業の技術、体力と持久力、コミュニケーション能力、安全管理能力、重機の操作技術が含まれます。鳶職人は、大規模な建物の建設、技術の習得と向上、チームでの達成感など多くのやりがいがありますが、高所作業のリスク、体力的な負担、天候の影響が課題となります。将来展望として、建設需要の増加や技術の高度化が期待されています。
参考