「ご了承のほどよろしくお願いいたします」の正しい使い方・意味・語源から具体的な活用法まで徹底解説

最終更新日:2025年3月3日
Default Thumbnail

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は、ビジネスシーンやかしこまった場で「理解しておいてください」または「事情をわかってください」という意味合いを、丁寧かつ敬意を込めて表現する言葉です。「了承いただきたい」といった依頼・お願いの意味が込められています。

ここで使われる「ご了承」は、相手の承諾や理解をお願いするニュアンスが強く、ビジネス敬語としてよく用いられます。特に「ご了承のほど」という言い回しはさらに丁寧で、相手との距離感を保ちながらかしこまった印象を与えられるため、社外メールなどフォーマルな状況で重宝されます。

無料転職サービス診断!【全5問】
問1:年齢を選択してください。

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は正しい日本語?

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」という表現は一般的に使われますが、厳密にはやや不自然です。「ご了承」は「了承する」という意味を持ち、すでに丁寧な表現であるため、「のほど」を加えると冗長になります。また、「ご了承」と「よろしくお願いいたします」を組み合わせると、依頼の形としてやや不自然な印象を与えます。

より適切な表現としては、「ご了承くださいますようお願い申し上げます」や「ご了承いただけますと幸いです」が挙げられます。状況によっては「ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます」も適しています。「ご了承のほどよろしくお願いいたします」も広く使われていますが、より洗練された表現を選ぶと好印象を与えられるでしょう。

ビジネスシーンでの使い方と重要性

ビジネスメールでの頻出フレーズ

ビジネスメールにおいて、「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は非常に多用されます。例えば、以下のような場面で使用されることが多いです。

  • 納期変更やスケジュール調整など、相手へ迷惑をかけるかもしれない連絡をする際
  • 値上げや仕様変更など、事前に理解・納得を求める必要がある事柄を伝えるとき
  • イベント開催日時の急な変更やセミナー中止などで、相手の協力を仰ぐとき

なぜ重要か?

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」というフレーズは、単に「ご了承下さい」というよりも丁寧で柔らかい印象を与えます。ビジネスにおいては、相手への敬意や配慮を示すことが信頼関係を築く上で非常に大切です。メールや文書でのコミュニケーションは対面での会話よりも誤解が生じやすいものですが、こうした表現を活用することで、相手が読み取る印象を良くし、不要なトラブルを回避することにつながります。

「了承」と「ご了承」の違いについて

混同されがちですが、「了承」は「相手が分かった・許容した」状態を表す言葉で、敬語というよりも一般的な単語です。一方で「ご了承」は「了承」に「御」という接頭語が付いた敬語的表現になります。相手に対して丁寧に「理解・許容してほしい」と依頼する場合は、「ご了承」を用いたほうがビジネスマナー的にも適切です。

  • 了承(了解): 相手の言い分などを理解・納得した状態
  • ご了承: 相手への敬意を込めて「了承」を願う表現

ただし、必ずしも「了承」を使うのが失礼というわけではなく、社内の比較的気軽なやり取りの中では「了承しました」というフランクな表現も一般的です。上司や先輩、取引先など、一定以上の敬意を払う相手に向けては「ご了承」が好ましいでしょう。

ビジネスメールでの使い方の例文

実際のビジネスメールでは、以下のように活用できます。なお、ここでは検索にかかりやすいキーワードを含む形で例文を示します。

スケジュール変更のお知らせ

件名:セミナー開催日時変更のご案内

〇〇株式会社 △△部 □□様

いつも大変お世話になっております。▲▲株式会社の山田と申します。

先般ご連絡差し上げましたセミナーの開催日時につきまして、
会場側の都合により、下記の通り変更させていただくことになりました。

【変更前】○月○日(火)10:00~12:00
【変更後】○月○日(火)14:00~16:00

直前のご案内となり誠に恐縮ではございますが、
何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

―――――――――――――――
▲▲株式会社 営業部 山田太郎
メール:xxxxx@xxxxx.co.jp
電話:03-XXXX-XXXX
―――――――――――――――

値上げの依頼や通知

件名:製品価格改定のご案内

〇〇株式会社 購買部 □□様

平素より弊社製品をご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。
▲▲株式会社の山田でございます。

さて、このたび世界的な原材料高騰の影響を受け、誠に心苦しいのですが、
弊社取扱い製品の一部につきまして、下記の通り価格改定をさせていただく運びとなりました。

【対象製品】XXXXXXXX
【改定時期】○年○月○日ご注文分より
【改定内容】1個あたり△△円→□□円

皆様には大変なご負担をおかけすることとなり、誠に恐縮ではございますが、
何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

―――――――――――――――
▲▲株式会社 営業部 山田太郎
メール:xxxxx@xxxxx.co.jp
電話:03-XXXX-XXXX
―――――――――――――――

上記のように、「相手に理解や承諾をお願いする」シチュエーションで「ご了承のほどよろしくお願いいたします」と書き添えると、必要以上に堅苦しすぎず、かつ丁寧な印象を与えられます。

類似表現と置き換え可能な敬語表現

ビジネス文書では同じフレーズを連発するよりも、適度に言い回しを変えることで読みやすさやバリエーションを持たせることができます。以下は「ご了承のほどよろしくお願いいたします」の類似表現です。

「ご了承いただけますと幸いです」

やや柔らかい印象を与える表現。ビジネスメールでもよく使用されます。

「ご理解のほどよろしくお願いいたします」

「了承」よりも「理解」を求めるニュアンスを強くしたい際に便利です。

「何卒ご容赦いただけますようお願いいたします」

ミスやトラブルなど、相手に迷惑をかけることをお詫びしながら許しを請う時に有用。

「ご承知おきくださいますようお願いいたします」

前もって知っておいてほしい、という意味。周知徹底したい事柄に関して使用されます。

「ご協力のほどよろしくお願いいたします」

了承や理解だけでなく、協力を求めたい場合に適しているフレーズです。

これらの表現を使い分けることで、より正確に自分の意図を伝えられるようになります。

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」を使う際の注意点

ビジネス敬語として万能に使える「ご了承のほどよろしくお願いいたします」ですが、気をつけておきたいポイントもいくつか存在します。

使いすぎに注意

ビジネスメールには多用されるフレーズであり、繰り返し使いすぎると単調な印象になったり、やや機械的に感じられたりする場合があります。何度も繰り返さないように、類似フレーズと組み合わせる工夫が必要です。

相手の立場を考慮する

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は、相手の理解や承諾を得たいという意図が強い表現です。明らかに相手の負担になる案件や厳しい条件を突きつける場合には、配慮が足りないと受け取られる恐れがあります。謝罪や補足説明を添えたり、協力をお願いする言葉を加えるなど、相手の負担を軽くする工夫を忘れないようにしましょう。

上から目線と捉えられないようにする

文章の流れ次第では、相手に“一方的に了承を押し付ける”印象を与えかねません。特にクレーム対応やトラブル時には、「ご了承」よりも「ご理解」の方が無難な場合もあります。内容に応じて適切に表現を選びましょう。

適切なタイミングと避けるべきケース

適切なタイミング

急な変更や中止などで相手に迷惑がかかる場合

どうしても外部要因や不可抗力などで変更が避けられないときは、事実を伝えた上で「ご了承のほどよろしくお願いいたします」とするのは有効です。

「ご理解・ご承知いただきたい」ニュアンスが強い場合

社内規定の改訂や人事異動など、多くの人に事実として受け止めてもらわなければならない局面で、丁寧にお願いする手段として使われます。

避けるべきケース

相手の要求を拒否する際

交渉段階などで相手の要望を断る場合に「ご了承のほどよろしくお願いいたします」を使うと、一方的に切り捨てる印象が出ることがあります。相手が不満を抱く原因になりやすいため、注意が必要です。

クレームや謝罪のシーン

相手の怒りや不満がある状態で「ご了承」と書くと、相手を突き放したように感じさせる場合があります。その際は「深くお詫び申し上げます」「何卒ご容赦くださいますようお願いいたします」など、まずはお詫びの言葉をしっかり述べるのが基本です。

メール以外のビジネス文書での活用法

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は、メール以外のビジネス文書や会議資料でも使う機会があります。例えば、次のようなケースです。

社内通知・通達文

組織変更やシステム改修など、社内全体に影響のある連絡を行う際に用います。全社員が読む可能性が高いので、丁寧かつ簡潔に事情を説明し、「ご了承のほど~」で締めくくると、フォーマル感が出ます。

案内状・招待状

セミナーやイベントの招待状で、日時や場所、諸条件などに変更の可能性がある場合、「あらかじめご了承のほどよろしくお願いいたします」と記載しておくと、事後のトラブルを軽減できます。

契約書・誓約書の補足事項

契約内容において特殊な取り決めがある場合や、サービス提供時にやむを得ない事情が生じる可能性がある場合など、事前に相手に納得してほしい事柄を明示する際に活用できます。

こうしたビジネス文書で「ご了承のほどよろしくお願いいたします」と添えることで、相手に敬意を払いながら事前の理解を求めることが可能になります

まとめ

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」はビジネスシーンで頻出するフレーズであり、以下のポイントを押さえるとより効果的に使いこなせるようになります。

  1. 状況や相手の気持ちを考慮する
    • 相手の状況を把握し、必要なら前置きやお詫びを加えるなどの配慮を行うことで、押し付けがましくならずに済みます。
  2. 使いすぎを避ける
    • 類似表現(「ご理解のほど」「何卒ご容赦」など)をうまく用いることで、文章全体の読みやすさと相手への印象が向上します。
  3. 敬語表現の正しい理解
    • 「了承」と「ご了承」、「了解」と「承知」の違いなど、基本的な敬語表現を整理し、状況に合わせて使い分けられるようにしておきましょう。
    • ビジネス敬語は、相手の立場や関係性を踏まえて最適な表現を選ぶのが大切です。
  4. 相手を思いやる気持ち
    • ビジネス文書は「相手に読んでもらう・理解してもらう・納得してもらう」ことが第一の目的です。「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は、相手の了承を得る言葉として便利ですが、一方的にならないよう、相手の立場を思いやりつつ書きましょう。
  5. 適切な場面での活用
    • トラブル時やクレーム時には他の表現を優先した方が良い場合もあります。状況に合わない使い方をすると、逆に相手の不信感を煽ってしまう恐れがあるため要注意です。

ビジネス敬語やビジネスフレーズは、社会人としての基本マナーであり、円滑なコミュニケーションを図る上で欠かせないスキルです。「ご了承のほどよろしくお願いいたします」という言葉は、社外メールだけでなく、社内の正式な連絡や取引先との打ち合わせ、通知文など、幅広い場面で使われています。正しい敬語表現を習得し、場に応じて適切に使いこなすことは、ビジネスパーソンとしての信頼感を高める重要な要素です。

とはいえ、どれだけ丁寧な敬語を使ったとしても、内容が一方的であったり、相手の負担や立場を一切考慮していなかったりすれば、良い印象は与えられません。文章全体の流れや表現、伝える内容、相手の業務状況など、さまざまな観点を踏まえて言葉を選ぶことで、はじめて本当に伝わるビジネスコミュニケーションが完成します。

「ご了承のほどよろしくお願いいたします」というフレーズ一つをとっても、その背景には相手を思いやる姿勢やビジネスマナーが詰まっています。多用されるフレーズだからこそ、正しい使い方を習得し、適切なシーンで使い分けることで、相手からの信頼を得られることでしょう。日々のメールや文書作成の中で少しずつ練習しながら、自分らしい言葉遣いと敬語のバランスを見つけてみてください。

\ 収入アップ!あなたにピッタリの仕事を見つけよう /
無料転職サービス診断!【全5問】
問1:年齢を選択してください。