「承知いたしました」の正しい使い方・例文・注意点を徹底解説!ビジネス敬語で好印象を与える秘訣

最終更新日:2025年2月3日
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ビジネスシーンでは上司や取引先、顧客など、さまざまな相手とのやりとりが発生します。
その中で欠かせないのが敬語を正しく使うことです。特に、「承知いたしました」は「相手の依頼やお願い、情報を理解し、受け止めた」と示す代表的な敬語表現として、多くの社会人が日常的に使用しています。

  • 丁寧度が高いため、相手に対して失礼になりにくい
  • メールや電話、チャット、対面など、あらゆるビジネスコミュニケーションで使いやすい
  • 新入社員やビジネス敬語に慣れていない人ほど、まず覚えておきたい便利フレーズ

一方で、「了解しました」「かしこまりました」などの似た表現との違いが曖昧だったり、誤用によって相手に違和感を与えてしまうケースもあります。本記事では、正しい意味や使い方のポイントを押さえつつ、より実践的に役立つ例文を紹介していきます。

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「承知いたしました」の基本的な意味と語源

基本的な意味

「承知いたしました」は、「承知する」を謙譲語で表現した丁寧な言い回しです。具体的には

相手の言った内容をしっかり理解し、受け止めました
という意味合いを伝えます。

「承知」は「わかる」「引き受ける」というニュアンスを含み、そこに「いたしました」を加えることで、へりくだった表現になっています。

語源や敬語の構造

  • 「承知」
    「承る(うけたまわる)」から来ているとも言われ、他人の話を受けて理解する意味を持ちます。
  • 「いたしました」
    「いたす」は謙譲語で、自分の行為を低めて表す言葉。「いたしました」と過去形にすることで完了のニュアンスを加えています。

つまり、「承知いたしました」は自分の受けた行為(承知)を謙って言及している形と捉えられます。

「承知しました」との違い

ビジネスメールや会話でよく目にする「承知しました」と「承知いたしました」。これらは大きく意味が変わるわけではありません。ただし、丁寧さや敬意の度合いに微妙な差があります。

  1. 承知しました
    • ややカジュアル~一般的な敬語として使われる
    • 社内のやりとりや友好関係のある取引先などで多用される
  2. 承知いたしました
    • 「いたしました」でより丁寧・敬意の高い表現
    • 初めてやりとりする相手や、厳格さが求められる場面に向いている

同じ場面で使っても誤りというわけではありませんが、より丁寧さをアピールしたい場合には「承知いたしました」が無難です。

ビジネスシーンでの具体的な使い方

上司・先輩への返答時

上司や先輩から仕事を依頼されたり、指示を受けたりした際に、「承知いたしました」は使いやすいフレーズです。

例文

  • 上司:「この資料、明日までにまとめておいてもらえる?」
    自分:「承知いたしました。すぐに取りかかります。」
  • 先輩:「明日の打ち合わせ、10時に会議室でね。」
    自分:「承知いたしました。ご準備ありがとうございます。」

取引先や顧客への対応時

ビジネス外部の関係者、特に取引先や顧客などへは、社内以上に丁寧さが求められます。「承知いたしました」は文書・口頭どちらでも好印象を与えやすい表現です。

例文

  • 取引先:「この納期、もう少し短縮できませんか?」
    自分:「承知いたしました。検討して、改めてご連絡いたします。」
  • 顧客:「商品について詳しく教えてもらえますか?」
    自分:「承知いたしました。資料を取りまとめ次第、改めてご説明いたします。」

電話応対・クレーム対応での使用

電話応対やクレーム対応では、相手に安心感を与えることが重要です。相手の要望や不満を受け止めつつ、丁寧に対応する姿勢を示すために「承知いたしました」を使う場面がよくあります。

例文

  • お客様:「先ほどの注文内容に誤りがあるようなんですけど……」
    自分:「申し訳ございません。状況を確認いたしますので少々お待ちください。承知いたしました。」
  • クレーム:「商品が届いていないのですが、どうなっていますか?」
    自分:「大変申し訳ございません。至急配送状況を調べ、折り返しご連絡いたします。承知いたしました。」

メールやチャットで使える例文集

依頼・指示に対する了承表明

依頼や指示を受けた際、まずは理解したことを明確にするためにも「承知いたしました」を使います。

txtコピーする編集する件名:【ご依頼承知いたしました】〇〇の件について

〇〇株式会社 △△様

いつもお世話になっております。□□会社の■■です。
先ほどご連絡いただきました〇〇の件、承知いたしました。
迅速に対応し、〇月〇日までに結果をご報告いたします。

何か追加でご要望やご不明点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

□□会社 ■■

スケジュール確認・連絡時

日程の調整やスケジュール連絡をする場合にも、相手の要望を受け止める表現として使えます。

txtコピーする編集する○○様

ご連絡ありがとうございます。
ご提案いただきました日程(〇月〇日 10時~)で承知いたしました。
当日はA会議室にてお待ちしております。

何か変更等ございましたら、お早めにお知らせくださいますようお願いいたします。

転送・共有時の一言

メールを転送したり、情報を共有する際にも、自分が理解・確認したことを相手に伝える一文として役立ちます。

txtコピーする編集する◯◯部長

先ほど受信しました○○様からのご依頼内容、承知いたしました。
必要箇所をまとめたうえで再度ご連絡いたします。

取り急ぎご報告まで、どうぞよろしくお願いいたします。

類語・言い換え表現

「承知いたしました」と同じシチュエーションで使われることの多い類語を比較します。

表現意味・ニュアンス使用場面
かしこまりました「かしこまる」の丁寧語。接客業やホテルなどで定番の上品な印象店舗での接客シーンや、ホテル、レストランなど、お客様対応がメインの場面
承りました「承る(うけたまわる)」を謙譲語で用いた形。
「聞く・受ける」の意味を含む
電話応対や受付業務など、相手の要望を聞いたことをシンプルに伝える際に適している
了解しました「了解する」を丁寧に言ったものだが、敬意の度合いは低め社内や近しい取引先など、ある程度フランクな関係性の間で使用することが多い
承知しました「承知する」の丁寧語。
「承知いたしました」より若干カジュアル
社内外を問わず使えるが、より柔らかさや丁寧度を示したいときは「承知いたしました」が便利

選び方のポイント

  • 相手との距離感企業文化、業界の慣習によって使い分ける
  • 相手が目上で、失礼のないように表現したい場合は「承知いたしました」を使うのが無難
  • 接客業では「かしこまりました」が好まれる傾向が強い

使う際の注意点・よくあるNG事例

乱用すると単調に感じられる

「承知いたしました」はとても便利なフレーズであるため、つい繰り返し使いがちです。しかし、文章や会話で連呼しすぎると、機械的・定型文的な印象を与える恐れがあります。

対策

  • 「承知しております」「承知いたします」「承りました」など、状況に応じて多少表現を変える
  • 文中でリズムを作り、別の敬語表現も交えてみる

相手との距離感に注意

取引先や顧客とはいえ、比較的フランクな付き合いがある場合や、長年のビジネスパートナーの場合などは、「承知いたしました」が逆に堅すぎると感じさせることもあります。相手がどんな敬語表現を好むか、コミュニケーションのトーンを見極めることも重要です。

「了解しました」の使いどころ

ビジネスシーンで「了解しました」を使うこと自体は間違いではありませんが、「承知いたしました」に比べるとやや軽い表現です。特に、上位者や年配の方に向けて使うと失礼に当たる場合もあります。社内の同僚や後輩など、フラットな関係であれば問題ないでしょう。

「承知いたしました」を使いこなすためのマナーとコツ

相手が不快に思わない表現の選び方

ビジネス敬語では、相手が「どう感じるか」を第一に考える必要があります。

  • 使いすぎると「とってつけたような敬語」にならないか
  • 相手との人間関係や状況に即したニュアンスを保てるか

→ ポイント

  • 長文メールの中に複数回使う場合は、別の表現も混ぜて単調さを防ぐ
  • 会話の流れによっては「ありがとうございます」「かしこまりました」を併用する

二重敬語・敬語の誤用に気をつける

「承知いたしました」自体は二重敬語ではありませんが、他のフレーズとの組み合わせによっては誤用が起こることも。

  • 例:「ご連絡いただき、誠にありがとうございます。承知いたしました。」
    • この文は問題ありませんが、誤って「ご連絡を頂戴いたしました」などと重ねすぎると、過剰敬語になりやすい

テンプレートに頼りすぎない

ビジネス文書や敬語表現のテンプレートは非常に便利ですが、そればかりに頼っていると画一的な印象を与えてしまいがちです。相手の業種・状況・要望などを踏まえ、柔軟にアレンジすることを心がけましょう。

【Q&A】よくある質問とその回答

Q1.「了解しました」と「了承しました」は上司に使ってもいい?
A. どちらも意味合い的には「分かりました」ですが、敬意のレベルが若干低いため、目上の方には「承知いたしました」などの方が好ましいです。相手や社風によっては「了解しました」でも問題ない場合もありますが、まずは無難な表現を選ぶ方が良いでしょう。

Q2.「かしこまりました」と「承知いたしました」の使い分けは?
A. 接客業や店舗ビジネスでは「かしこまりました」が自然で上品な印象を与えます。一般的なオフィス業務や取引先とのやりとりであれば「承知いたしました」が一般的です。

Q3. 何度も「承知いたしました」を使うのはおかしいでしょうか?
A. 短い文章に同じ敬語表現を連発すると、少し単調になる可能性があります。たとえば「承知いたしました」「かしこまりました」「承知しております」など、意図的にバリエーションをもたせると読みやすくなります。

Q4. 「承知いたしました」の英語表現は?
A. 厳密な英訳は難しいですが、ビジネス英語では「I understand.」や「Certainly.」などがよく使われます。日本語ほど細かい敬語の段階がないため、やりとりの文脈に合わせて適宜使い分けるのがポイントです。

まとめ

「承知いたしました」は、相手の要望をしっかり受け止めたことを伝えられるうえに、ビジネスシーン全般で通用する便利な敬語表現です。

  • 「承知しました」よりも丁寧で、目上の人にも使いやすい
  • 「かしこまりました」「承りました」などと組み合わせると表現に幅が出る
  • 使いすぎると単調になりがちなので、他のフレーズとのバランスにも注意

上司や取引先など、さまざまな相手に配慮したコミュニケーションを行うためにも、まずは正しい意味と使い方を理解し、状況に応じて柔軟に言葉を選びましょう。適切な敬語表現を身につけることで、ビジネスコミュニケーション全体の質が向上し、相手からの信頼も得やすくなります。

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