「おっしゃるとおり」とは何か?敬意を示しつつ賛同を表す言葉

最終更新日:2024年12月23日
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ビジネスシーンだけでなく、日常会話でもしばしば使われる「おっしゃるとおり」という表現。これは相手の意見・主張・指摘に対して全面的に同意し、敬意をもって受け止めるニュアンスを含んでいます。「おっしゃるとおり」の「おっしゃる」は「言う」の尊敬語であり、目上の人・取引先や顧客などに対して相手を敬う姿勢を示すフレーズとして非常に有用です。一方で、「まったく同感です」といったフランクな言い回しよりもフォーマルな場面に適しているため、ビジネスマナーとして活用すれば高い印象効果を期待できます。

本記事では、「おっしゃるとおり」の正しい使い方や注意点、実際のビジネスシーンにおける活用法、そして関連フレーズを取り上げ、より円滑かつ丁寧なコミュニケーションを行うためのヒントをご紹介します。

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「おっしゃるとおり」の基本的な意味・ニュアンス

1. 相手の発言・見解に対して「賛同」や「納得」を示す

「おっしゃるとおり」は、ストレートに「そのとおりですね」「仰せのとおりです」という意味を表します。相手の意見や説明に対して「同感だ」「まさにその通りだ」といった肯定の姿勢を取る場合に便利です。特にビジネスのやり取りでは、社内外の関係者へリスペクトを込めて返答することで、相手を心地よくさせ、スムーズなコミュニケーションにつなげられます。

2. 相手を敬う姿勢を示す

「おっしゃる」は「言う」の尊敬語であり、「とおり」は「内容」や「考え」を指す部分となります。つまり、相手の発言や意見を高く評価し、それを自分も受け止めるという意味合いが込められています。単に「そうですね」と言うよりも、相手を敬うニュアンスが強いため、上下関係や対外的な折衝において最適なフレーズとなるわけです。

3. 自分の立場を明確にしすぎない柔軟な言い回し

「おっしゃるとおり」は肯定の表現ではあるものの、「全てを鵜呑みにする」というよりも、「相手の見解を尊重しつつ共感・合意する」ニュアンスが強いのが特徴です。したがって、相手が提示した案を受け入れやすい姿勢を示す一方で、今後の議論や方針についての余地を残しつつ話を展開できるのもメリットといえます。

「おっしゃるとおり」を使う際の注意点

1. 言い過ぎによる安易な同調を防ぐ

ビジネスシーンで「おっしゃるとおり」と連呼していると、相手には一時的に良い印象を与える可能性が高まりますが、同時に「都合よく同意ばかりする人」「主体性がない人」と見られるリスクもあります。本当に納得した内容であれば問題ありませんが、議論のポイントをしっかり把握し、自分の意見を持ったうえで賛同しているのかが重要です。

2. 自分の意見が別にある場合の切り出し方

相手の発言に一部賛同しながらも、別の視点や付加情報を伝えたい場合、まずは「おっしゃるとおりです」と相手の意見を肯定したのちに「一方で、こういった可能性も考えられるかと存じます」と続けるとスムーズです。敬意を払いながら意見を述べることで、衝突を避けつつ建設的なやり取りができます。

3. 相手によっては別のフレーズを選ぶほうが自然

「おっしゃるとおり」は敬語表現なので、フラットな上下関係で話す仲間や友人に対しては、少し硬すぎる印象を与えることがあります。カジュアルな場面では「ほんと、その通りだね」「言う通りだと思うよ」などに言い換えるのも一案です。相手との距離感・シチュエーションに合わせて使い分けると、より適切で好感度の高いコミュニケーションが可能です。

ビジネスシーンでの「おっしゃるとおり」活用例

1. 会議・打ち合わせでの合意形成

会議で誰かが有力なアイデアを出してきた際、チームで合意を得たい場合には「〇〇さんのおっしゃるとおり、まずはコスト面の試算から始めるのが最善かと考えます」と応じると、発案者をしっかり立てながら賛同し、周囲の同意も得やすくなります。

2. 取引先・顧客との商談での信頼獲得

クライアントの要望に同調するとき、「おっしゃるとおり、まずは詳細な仕様をまとめる段階が必要ですね」と返答すれば、相手の希望をきちんと受け止めていることが伝わり、安心感を持ってもらえます。ただし、無理な要望に対してもただ同意するだけではなく、その後の見直しや別案提示を添えるなど、プロとしての姿勢を示すことが大切です。

3. 社内コミュニケーションの潤滑剤として

上司や先輩がアドバイスをくれたとき、後輩や部下が「おっしゃるとおりです。すぐに取り掛かります」と答えると、そのアドバイスを素直に受け入れている姿勢が伝わり、人間関係の円滑化に寄与します。逆に言えば、目上の人が部下からアドバイスを受けた際も「おっしゃるとおりだね、参考になるよ」と答えれば、相手への敬意が明確に示され、組織の風通しも良くなるでしょう。

「おっしゃるとおり」と合わせて使いたい関連フレーズ・類義表現

  1. 「まさにその通りです」
    さらに強い賛同を示すフレーズ。ビジネスでもカジュアルな場面でも使いやすいですが、「おっしゃるとおり」よりフランクなニュアンスがあるため、目上の人にはやや控えめにするのがおすすめです。
  2. 「ごもっともです」
    相手の意見を尊重し、筋が通っていることを認めるニュアンス。やや硬い表現であるため、場面や相手を選んで使いましょう。
  3. 「おっしゃるように」
    相手の意見を引用しながら話を進めるときに便利。「おっしゃるように、この方法は効果的かと思います」とすれば、相手の立場を尊重しつつ同意している形が作れます。
  4. 「お言葉を借りると」
    相手の発言内容を踏まえて次の議論を展開する際に用いる言い回し。「先ほどのお言葉を借りると、この商品はさらに改良の余地があるかもしれませんね」のように使うと、自然に相手の発言を引用していることが分かりやすくなります。

「おっしゃるとおり」を上手に使いこなすコツ

  1. 相手の意図を汲み取り、具体的に応じる
    「おっしゃるとおりですね」と述べるだけで終わると、ただの社交辞令に聞こえることもあります。具体的な感想や補足意見を付け加えることで、「しっかり内容を理解し、賛同している」ことを伝えましょう。
  2. 言葉に重みを持たせる適切な頻度を意識する
    「おっしゃるとおり」を連発すると安易な迎合の印象につながります。要所要所で使うことで、相手にも「本当に納得しているんだな」と感じてもらいやすくなります。
  3. 自分の意見を添えてより建設的に
    相手の意見に100%乗っかるだけでなく、「おっしゃるとおりです。ただ、こういったアプローチはいかがでしょうか?」などと付け加えると、積極的に議論を発展させる姿勢を示せます。相手とのコミュニケーションが深まり、信頼関係も構築しやすくなるでしょう。

まとめ

「おっしゃるとおり」という表現は、相手の発言や意見に対して敬意を持って賛同し、対話をスムーズに進める上で非常に有用なフレーズです。敬語としての格があるぶん、ビジネスシーンや目上の方との会話で有効に作用します。ただし、使い過ぎると主体性に欠ける印象を与えたり、単なるイエスマンとして扱われるリスクもあるため、正しいタイミングと頻度で用いることが重要です。

また、「おっしゃるとおり」を使うだけでなく、その後に自分の意見やアイデア、具体的な行動を示すことで、単なる賛同以上の信頼感を得ることができます。補足説明や代替案の提示を組み合わせれば、相手からの評価を高め、より建設的なビジネスコミュニケーションを築けるでしょう。

ビジネスや日常会話の中で、相手の話をよく聞き、的確に共感を示し、敬意を払いつつも自分の考えを伝える。このプロセスをスムーズにしてくれるのが「おっしゃるとおり」です。ぜひ上手に活用し、人間関係の円滑化やビジネスパフォーマンスの向上につなげてみてください。結果として、社内外からの信頼や評価が高まり、より豊かなコミュニケーションライフを送ることができるはずです。

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