ビジネス文書でよく使用される「於(おいて)」。場所や時間を示す際によく使われるこの漢字ですが、正しい使い方や読み方、適切な場面をご存知でしょうか?本記事では、「於」の意味から使い方、英語表現まで、ビジネスで役立つ情報を徹底解説します。
目次
「於」は主に「〜において」「〜にて」という意味で使用される漢字です。場所、時間、場面を示す際に用いられ、ビジネス文書では特によく見かける表現です。文脈によって「おいて」「おける」などと読み方が変化するのが特徴です。
単に場所や時間を示すだけでなく、文書に格調の高さを添える効果もあります。そのため、正式な文書や重要な案内などで使用されることが多くなっています。
「おいて」「おける」が基本的な読み方となります。使用される文脈や助詞との組み合わせにより、以下のように読み方が変化します。
場所を示す際の「於」の使用は最も一般的です。以下のような例文が代表的です。
本社会議室に於いて説明会を開催いたします。
東京支社における販売実績が好調です。
当ホテルに於きまして、記念パーティーを執り行います。
時期や期間を示す際にも使用されます。
本年度における業績は前年比120%となりました。
来月15日に於いて株主総会を開催いたします。
平成期における経済動向について分析いたしました。
特定の状況や場面を説明する際にも使用されます。
本件に於きましては、慎重に検討を重ねてまいります。
当業界における市場シェアは拡大傾向にあります。
現状に於いて、早急な対応が必要と判断いたしました。
正式な文書では「於」の使用が適切とされます。以下のような文書で特によく使用されます。
拝啓
弊社創立20周年を記念し、下記の通り祝賀会を開催する運びとなりました。
日時:令和○年○月○日
場所:帝国ホテル東京 於 牡丹の間
ご多用中誠に恐縮ではございますが、ご臨席賜りますようお願い申し上げます。
敬具
第1回取締役会 議事録
日時:令和○年○月○日
場所:本社5階会議室に於いて
出席取締役:○○○○、△△△△、□□□□
一般的なビジネスメールでは、より平易な表現を使用することが推奨されます。ただし、正式な通知や重要な案内の場合は、「於」を使用することで文書の格調を高めることができます。
企業サイトやプレスリリースなど、公式性の高いコンテンツでは適切に使用します。ただし、一般向けのページでは、理解しやすい表現を優先することが望ましいです。
両方とも正しい表記です。「に於いて」は漢字を使用することで格調高い印象を与えます。一方、「において」はより一般的な表記として広く使用されています。状況や文書の性質に応じて使い分けることが推奨されます。
正式な通知や重要な案内の場合は使用が適切です。ただし、日常的なビジネスメールでは、より平易な表現を使用することが推奨されます。
直訳を避け、文脈に応じて適切な前置詞(at, in, on, during など)を選択することが重要です。英語では自然な表現を心がけましょう。
一般的に署名や住所では使用しません。通常の表記方法に従うことが推奨されます。
ビジネス文書における「於」の使用は、文書の格式や状況に応じて適切に判断することが重要です。正式な文書での使用は効果的である一方、カジュアルな文書では平易な表現を選択するなど、場面に応じた使い分けが求められます。
特に注意すべきポイント:
本記事で解説した内容を参考に、状況に応じた適切な「於」の使用を心がけていただければ幸いです。ビジネス文書作成の際に、ぜひお役立てください。