公認会計士とは、仕事内容、年収、やりがいなどを解説

最終更新日:2024年7月11日
Default Thumbnail

公認会計士(CPA: Certified Public Accountant)は、会計や監査、税務に関する専門知識とスキルを持ち、企業や組織の財務情報の信頼性を保証する職業です。公認会計士は、会計監査や税務相談、経営コンサルティングなど、多岐にわたる業務を担当し、高い専門性と倫理観が求められます。本記事では、公認会計士の仕事内容、年収、必要なスキル、やりがい、そしてなり方について詳しく解説します。

公認会計士の仕事内容

会計監査

公認会計士の主な仕事の一つは、会計監査です。企業や組織の財務諸表が正確で適正に作成されているかを確認し、第三者に対してその信頼性を保証します。会計監査は、投資家や金融機関などが意思決定を行う上で重要な役割を果たします。

税務相談・税務申告

公認会計士は、税務相談や税務申告の業務も担当します。企業や個人の税務戦略を策定し、適正な税務申告を行うためのアドバイスを提供します。また、税務署への申告書の作成・提出も行います。

経営コンサルティング

公認会計士は、経営コンサルティング業務も行います。企業の経営戦略の策定や業務改善、財務分析、リスク管理などに関するアドバイスを提供し、経営者の意思決定を支援します。

企業再編・M&A支援

公認会計士は、企業再編やM&A(合併・買収)の支援も担当します。企業の価値評価やデューデリジェンス(精査)、買収後の統合プロセスのサポートなど、複雑な取引を円滑に進めるための専門知識を提供します。

内部統制・リスク管理

公認会計士は、企業の内部統制やリスク管理の強化を支援します。内部監査やコンプライアンスの評価、リスク管理システムの構築などを行い、企業のガバナンスを強化します。

公認会計士の年収

平均年収

公認会計士の平均年収は、約700万円から1200万円程度です。これは、勤務先や経験年数、専門分野によって異なります。大手監査法人やコンサルティングファームに勤務する場合、さらに高収入を得ることも可能です。

初任給と年収

公認会計士の初任給は約25万円から35万円程度で、年収に換算すると約300万円から420万円程度となります。これに加え、ボーナスや各種手当が支給されることがあります。経験を積むことで、収入も増加し、管理職やパートナーに昇進すればさらに高収入を得ることができます。

年齢別の年収

公認会計士の年収は、経験とともに増加します。以下は、年齢別の平均年収の例です。

  • 20代: 平均年収は約400万円から600万円です。新任の公認会計士として経験を積み、基本的なスキルを習得します。
  • 30代: 平均年収は約600万円から1000万円です。中堅の公認会計士として、専門的なスキルや知識を活かし、より責任のある業務を担当します。
  • 40代: 平均年収は約1000万円以上です。ベテランの公認会計士として、部下の指導や管理業務を担当し、重要な決定を行います。

公認会計士になるには

高校卒業後の進路

公認会計士を目指すためには、まず高等学校を卒業することが必要です。その後、大学や専門学校で会計学や経済学、ビジネスなどの関連分野を学ぶことが推奨されます。

専門学校や大学での学習

公認会計士になるためには、会計学や経済学、ビジネスなどの関連分野を専攻することが役立ちます。大学や専門学校でこれらの分野を学ぶことで、試験対策や実務に役立つ知識を身につけることができます。

公認会計士試験の合格

公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格する必要があります。試験は、短答式試験(基礎知識)と論文式試験(応用知識)の2段階で行われ、会計学、税法、経済学、ビジネス法などの科目が含まれます。合格後は、実務経験を積むことが必要です。

実務経験

公認会計士試験に合格した後、実務経験を積むことが必要です。通常、監査法人や会計事務所での2年以上の実務経験が求められます。実務経験を通じて、会計監査や税務、コンサルティングのスキルを実践的に学びます。

登録と継続教育

実務経験を積んだ後、日本公認会計士協会(JICPA)に登録し、公認会計士としての資格を取得します。資格取得後も、継続的な教育を受けることが求められます。これにより、最新の知識や技術を維持し、専門性を高めることができます。

公認会計士に求められるスキル

会計・税務知識

公認会計士には、会計や税務に関する深い知識が求められます。最新の会計基準や税法を理解し、適切に適用する能力が必要です。

分析力

公認会計士は、財務データを分析し、企業の経営状況やリスクを評価する能力が求められます。財務諸表や経営指標を正確に読み取り、問題点を見つけ出す分析力が重要です。

コミュニケーション能力

公認会計士は、企業の経営者や他の専門家と連携し、情報を共有することが求められます。クライアントや同僚と円滑にコミュニケーションを図り、信頼関係を築く能力が必要です。

問題解決能力

公認会計士は、複雑な経営問題や財務問題に対処することがあります。迅速かつ的確な対応策を見つけ出し、問題を解決するための問題解決能力が重要です。

継続的な学習意欲

公認会計士は、常に最新の知識や技術を学び続けることが求められます。継続的な教育を受けることで、専門性を維持し、高めることが重要です。

公認会計士に向いている人

数字に強い人

公認会計士は、日常的に財務データや数値を扱います。数字に強く、計算や分析が得意な人に向いています。

コミュニケーションが得意な人

公認会計士は、多くのクライアントや同僚と接する職業です。コミュニケーションが得意で、人と接することが好きな人に向いています。

問題解決が得意な人

公認会計士は、複雑な経営問題や財務問題に対応することがあります。問題解決が得意で、冷静な判断ができる人に向いています。

公認会計士の働く環境

監査法人

公認会計士は、監査法人で働くことが多いです。監査法人では、企業の財務諸表の監査や内部統制の評価などを行います。

会計事務所

公認会計士は、会計事務所で税務相談や税務申告、経営

コンサルティングなどの業務を行います。中小企業や個人事業主をクライアントとすることが多いです。

企業内会計士

公認会計士は、企業内会計士として企業に勤務することもあります。企業内では、経理や財務、内部監査などの業務を担当します。

公認会計士のやりがい

専門知識を活かす

公認会計士のやりがいの一つは、専門知識を活かして企業や組織の経営を支援することです。会計や税務、経営コンサルティングの分野で専門性を発揮し、クライアントの信頼を得ることができます。

自己成長と達成感

公認会計士は、自分の努力が直接成果として現れる職業です。日々の努力が実を結び、クライアントの問題を解決できた時の達成感は大きなやりがいとなります。

社会への貢献

公認会計士は、財務情報の信頼性を保証し、投資家や金融機関、消費者など多くのステークホルダーにとって重要な役割を果たします。社会全体の経済活動の健全化に貢献することがやりがいとなります。

公認会計士の課題

試験の難易度

公認会計士試験は非常に難易度が高く、合格率も低いです。長期間の勉強と努力が必要となります。

労働時間の長さ

公認会計士の仕事は、繁忙期には長時間の労働が求められることがあります。特に、決算期や税務申告期には多忙となるため、体力的な負担も大きくなります。

技術の継続的な習得

公認会計士は、常に新しい技術や知識を学び続けることが求められます。最新の会計基準や税法を把握し、業務に反映させることが必要です。

公認会計士の将来展望

国際化の進展

グローバル化が進む中で、公認会計士の役割はますます重要となっています。国際会計基準(IFRS)の導入やグローバルな企業活動の増加に伴い、公認会計士の需要は増加しています。

技術の進歩とデジタル化

技術の進歩とデジタル化が進む中で、公認会計士の業務も効率化されています。新しい技術を活用し、より効果的な会計監査やコンサルティングが期待されています。

持続可能な経営の推進

持続可能な経営が求められる中で、公認会計士は企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)情報の開示や持続可能なビジネスモデルの構築を支援する役割を担っています。

まとめ

公認会計士は、会計や監査、税務に関する専門知識とスキルを持ち、企業や組織の財務情報の信頼性を保証する職業です。仕事内容は会計監査や税務相談、経営コンサルティング、企業再編・M&A支援、内部統制・リスク管理など多岐にわたり、年収は約700万円から1200万円程度です。公認会計士になるには、高校卒業後に大学や専門学校で会計学や経済学を学び、公認会計士試験に合格し、実務経験を積む必要があります。求められるスキルには、会計・税務知識や分析力、コミュニケーション能力、問題解決能力、継続的な学習意欲などが含まれます。公認会計士は、専門知識を活かして企業や組織の経営を支援することや自己成長、社会への貢献など多くのやりがいがありますが、試験の難易度や労働時間の長さ、技術の継続的な習得などの課題もあります。将来展望として、国際化の進展や技術の進歩、持続可能な経営の推進が期待されています。

参考: