司書とは、仕事内容、年収、やりがいなどを解説
最終更新日：2024年7月1日
司書は、図書館において資料の収集、整理、保存、提供を行う専門職です。利用者が必要とする情報や資料を適切に提供し、図書館の運営を支える役割を担っています。学校図書館や公共図書館、大学図書館、専門図書館など、さまざまな場所で活躍しています。
司書の仕事内容
資料の収集と選定
司書の主な仕事の一つは、図書館に必要な資料を収集し、選定することです。新しい本や雑誌、電子資料などを購入し、図書館の蔵書を充実させます。また、利用者のニーズに応じて資料の選定を行います。
資料の整理と分類
収集した資料を整理し、分類するのも司書の重要な仕事です。図書館の分類システムに従って、資料を分類し、書架に配置します。これにより、利用者が必要な資料を効率よく見つけられるようにします。
貸出・返却業務
司書は、図書や資料の貸出・返却業務を行います。利用者が資料を借りる際の手続きを行い、返却された資料の確認や整備を行います。これには、延滞資料の管理や利用者への連絡も含まれます。
利用者サービス
利用者サービスも司書の重要な仕事です。利用者からの問い合わせに対応し、必要な資料の検索や情報提供を行います。また、資料の利用方法や図書館の利用規則についての説明も行います。
調査・レファレンスサービス
司書は、利用者が特定の情報を求める際に、調査やレファレンスサービスを提供します。これには、特定のテーマに関する情報提供や資料の検索、参考文献の紹介などが含まれます。
図書館イベントの企画と運営
図書館でのイベントの企画と運営も司書の仕事の一つです。読書会、講演会、展示会など、利用者が楽しめるイベントを企画し、実施します。これにより、図書館の利用促進を図ります。
図書館システムの管理
電子図書館システムの管理も司書の業務に含まれます。オンラインカタログの更新やデジタル資料の管理、利用者データの管理などを行います。また、システムのトラブルシューティングや利用者への操作説明も行います。
司書の年収
平均年収
司書の平均年収は、勤務する図書館の種類や地域、経験年数によって異なりますが、一般的には約300万円から500万円程度とされています（※参考：厚生労働省）。公共図書館や大学図書館、専門図書館での勤務の場合、年収がさらに高くなることもあります。
初任給と年収
司書の初任給は、一般的に月額約20万円から25万円程度です。新卒で採用された場合、年収に換算すると約300万円から350万円程度となります。経験を積むことで昇給し、数年後には年収400万円以上になることが一般的です。
年齢別の年収
司書の年収は、経験年数や役職によって増加します。以下は、年齢別の平均年収の例です。
- 20代: 平均年収は約300万円から350万円です。初任給からのスタートとなり、現場での経験を積みながら昇給します。
- 30代: 平均年収は約350万円から450万円です。中堅の司書として、専門知識やスキルを活かして活躍します。
- 40代: 平均年収は約450万円以上です。主任やリーダーとしての役割を担い、さらに高収入を得ることができます。
司書になるには
学歴と専門知識の取得
司書として働くためには、大学での学位（学士、修士）が一般的に必要です。特に、図書館情報学や文献情報学、情報学などの分野での専門知識が求められます。大学や大学院でこれらの分野を専攻し、必要な知識を深めることが重要です。
司書資格の取得
司書としての専門性を高めるために、司書資格を取得することが必要です。司書資格は、図書館情報学に関するカリキュラムを履修し、所定の単位を修得することで取得できます。これにより、特定の業務に必要な知識と技能を証明することができます。
実務経験の積み重ね
司書になるためには、図書館での実務経験が求められることが多いです。インターンシップやアルバイトを通じて、図書館業務の経験を積むことが有効です。また、図書館でのボランティア活動も役立ちます。
採用試験と選考
司書として働くためには、図書館の採用試験に合格する必要があります。採用試験には筆記試験、面接、適性検査などが含まれます。自分の専門知識や能力をアピールし、選考を通過することが求められます。
司書に求められるスキル
図書館情報学の知識
司書には、図書館情報学の知識が求められます。資料の収集や分類、整理、提供に関する知識を持ち、図書館業務を円滑に進める能力が必要です。
コミュニケーション能力
司書には、高いコミュニケーション能力が求められます。利用者からの問い合わせに対応し、必要な情報を提供するためのスキルが重要です。また、同僚や他の図書館との連携も求められます。
問題解決能力
司書には、問題解決能力が求められます。利用者のニーズに応じた情報提供や、図書館業務で発生するさまざまな問題に対して、適切な解決策を見つけ出し、実行する能力が必要です。
ITスキル
司書には、基本的なITスキルが求められます。電子図書館システムの管理やオンラインカタログの更新、デジタル資料の管理など、情報技術を活用した業務が増えています。
組織力と計画力
司書には、組織力と計画力が求められます。資料の整理やイベントの企画運営において、効果的な計画を立てて実行する能力が重要です。
司書に向いている人
読書や資料の整理が好きな人
司書は、読書や資料の整理が好きな人に向いています。本や資料に対する興味と知識が求められます。
忍耐強く、細かい作業が得意な人
司書は、忍耐強く、細かい作業が得意な人に向いています。資料の分類や整理、データ入力など、正確さが求められる業務が多いため、細かい作業を丁寧に行う能力が重要です。
コミュニケーションが得意な人
司書は、コミュニケーションが得意な人に向いています。利用者とのやり取りや他の図書館職員との連携が重要です。
論理的思考が得意な人
司書は、論理的思考が得意な人に向いています。資料の分類や検索において、論理的に情報を整理し、提供する能力が必要です。
自主性があり、自己管理ができる人
司書は、自主性があり、自己管理ができる人に向いています。自分のペースで業務を進め、計画的に仕事をこなす能力が重要です。
司書の働く環境
図書館内での勤務
司書の主な勤務場所は、図
書館内です。資料の整理や分類、利用者サービスなど、図書館の運営に関わる多岐にわたる業務を行います。
利用者との連携
司書は、利用者との連携が重要です。日常的に利用者からの問い合わせに対応し、必要な情報を提供します。
図書館システムの管理
司書は、図書館システムの管理も行います。オンラインカタログの更新やデジタル資料の管理、利用者データの管理など、電子化された情報の管理が求められます。
司書のやりがい
利用者の知識探求を支援すること
司書の最大のやりがいは、利用者の知識探求を支援することです。利用者が必要な情報や資料を見つけ、学びや研究を進める手助けをすることに大きな達成感を感じます。
図書館の発展に寄与すること
司書は、図書館の発展に寄与することがやりがいの一つです。新しい資料の収集やイベントの企画運営を通じて、図書館の魅力を高めることに貢献します。
自分の知識を活かすこと
司書は、自分の知識やスキルを活かすことがやりがいの一つです。専門知識を駆使して、利用者に適切な情報を提供することに大きな達成感を感じます。
学び続ける機会があること
司書は、常に新しい知識を学び続ける機会があります。新しい資料や情報技術の導入に伴い、継続的に学び、スキルを向上させることが求められます。
司書の課題
多忙な勤務環境
司書の仕事は、多忙な勤務環境です。資料の整理や分類、利用者対応、イベントの企画運営など、多岐にわたる業務をこなす必要があり、長時間の勤務が求められることもあります。
細かい作業の多さ
司書の仕事は、細かい作業が多いです。資料の分類や整理、データ入力など、正確さが求められる業務が多く、ミスが許されないため、集中力が必要です。
利用者対応の難しさ
司書は、さまざまな人とコミュニケーションを取る必要があります。利用者からの問い合わせに対して、適切な情報提供を行うためのスキルが求められます。
司書の将来展望
デジタル化の進展と業務効率化
デジタル化の進展により、司書の業務も効率化されています。電子化された情報管理やデジタル資料の導入により、業務の効率化が進んでいます。これに伴い、ITスキルの向上が求められます。
多様な資料への対応
司書の役割は、今後も多様化していくことが予想されます。紙媒体の資料だけでなく、電子書籍やデジタルアーカイブなど、さまざまな形式の資料に対応するスキルが求められます。
利用者サービスの向上
利用者サービスの向上が求められています。利用者の多様なニーズに応えるために、柔軟な対応や新しいサービスの提供が求められます。
まとめ
司書は、図書館において資料の収集、整理、保存、提供を行う専門職です。資料の収集と選定、整理と分類、貸出・返却業務、利用者サービス、調査・レファレンスサービス、図書館イベントの企画と運営、図書館システムの管理など、多岐にわたる業務を担当します。年収は約300万円から500万円程度であり、初任給や年齢別の年収も詳細に紹介しました。将来の展望として、デジタル化の進展と業務効率化、多様な資料への対応、利用者サービスの向上が期待されています。
司書を目指す方には、図書館情報学の知識、コミュニケーション能力、問題解決能力、ITスキル、組織力と計画力などのスキルが求められます。学歴と専門知識の取得、司書資格の取得、実務経験の積み重ね、採用試験と選考を通じて、司書としてのキャリアを築くことが重要です。司書の仕事は大変な部分も多いですが、利用者の知識探求を支援すること、図書館の発展に寄与すること、自分の知識を活かすこと、学び続ける機会があることなど、大きなやりがいがあります。興味のある方は、ぜひ司書への道を検討してみてください。