「会わせて頂きたい」の正しい使い方・意味・語源から具体的な活用法まで徹底解説

最終更新日:2025年3月4日
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「会わせて頂きたい」という表現は、ビジネスシーンにおいて「相手と会う機会を設けてもらいたい」という意向を伝えるために用いられる敬語表現です。「会う」という動詞に謙譲の助動詞「頂く(いただく)」がついた形であり、相手に対してへりくだりつつ、自分が「会うことをお願いする」という丁寧な姿勢を示します。

ビジネスでは「会う」こと自体が重要な行為であるため、適切な敬語を使用できるかどうかが相手との関係を左右するケースも少なくありません。「会わせて頂きたい」には「お時間をいただいてお会いしたい」というニュアンスも含まれており、社内外を問わず、相手への敬意と配慮を伝える上で非常に有効です。

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「会わせて頂く」は正しい日本語?

「~させて頂く」は、「相手の許可を得て、その行為を行う」という意味を持つ敬語表現です。しかし、「会う」という行為は、相手との双方の合意が前提となるため、「会わせて頂く」とすると、「あなたの許可を得て、私は会います」というニュアンスになり、不自然になることがあります。

ビジネスシーンでは、以下のように言い換えると、より自然で丁寧な表現になります。

「お目にかかりたいと存じます。」

「会う」の謙譲語「お目にかかる」を使い、より丁寧な印象になります。

「お会いできればと存じます。」

「お会いする」も謙譲語であり、控えめな表現なのでビジネスに適しています。

「お会いしたく存じます。」

こちらも一般的に使われる表現で、丁寧な印象を与えます。

「会わせて頂きたい」のビジネス敬語としての位置づけ

ビジネス敬語には大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」がありますが、「会わせて頂きたい」は「謙譲語」に該当する表現です。謙譲語は自分の行為をへりくだり、相手を立てることで敬意を示す役割を果たします。特にビジネスメールや電話での連絡、口頭でのやりとりなど、フォーマルな場面で使われることが多いのが特徴です。

尊敬語

相手の動作を高める(例:お会いになる)

謙譲語

自分の動作をへりくだる(例:会わせて頂く)

丁寧語

文末の「です・ます」で表す丁寧な言い方

「会わせて頂きたい」は、相手の行為ではなく自分が行う「会う」という行為に対する敬意を示すため、謙譲語が使用されています。ビジネスにおけるアポイントの取り方としては、非常に一般的でかつ効果的なフレーズといえるでしょう。

「会わせて頂きたい」の正しい使い方

ビジネスメールでの使用例

ビジネスメールでアポイントを取る際や、商談・面談・打ち合わせの日程を調整する場面でよく使われます。たとえば「○月○日にお会いできればと考えております。ぜひ会わせて頂きたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。」と書くことで、相手に丁寧に依頼している意図が伝わります。

件名例:「【アポイントのご相談】お打ち合わせ日程について」

本文例:○○株式会社 営業部 山田 太郎 様 いつも大変お世話になっております。 △△株式会社の佐藤花子と申します。 先日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。 本日は新商品のご提案に関して、直接会わせて頂きたいと思い、ご連絡いたしました。 つきましては、以下日程の中で山田様のご都合がよろしい日時がございましたら、 お手数をおかけいたしますがご教示頂けますと幸いです。 ・○月○日(火)10:00〜12:00 ・○月○日(水)14:00〜16:00 ・○月○日(金)15:00〜17:00 お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 --------------------- △△株式会社 営業部 佐藤 花子 TEL:03-XXXX-XXXX MAIL:sato@example.co.jp ---------------------

上記のように、「会わせて頂きたいと思い、ご連絡いたしました」というフレーズは、丁寧かつスムーズに相手へ面会希望を伝えられます。また、相手の都合を優先する姿勢を示すことによって、ビジネス敬語としての信頼度が高まります。

電話対応・口頭での使用例

電話でアポイントを取る際も「会わせて頂きたい」という表現はよく用いられます。例えば、

「お忙しいところ恐れ入ります。○○株式会社の佐藤と申します。先日の打ち合わせでお話ししました件について、直接会わせて頂きたいのですが、お時間を頂戴できますでしょうか?」

このように、冒頭で簡単に名乗り、要件を伝えたあと「会わせて頂きたい」とお願いをすることで、ビジネスの場でも違和感なく、かつ丁寧な印象を与えられるのです。

「会わせて頂きたい」を使う時の注意点

相手に負担をかけていないかを考慮する

「会わせて頂きたい」は自分都合のお願いです。特に商談や打ち合わせを依頼する場合、相手の時間を割いてもらうことになるため、相手への配慮が求められます。ビジネスメールや電話で「ご多忙のところ恐れ入りますが」「お忙しい中恐縮ですが」という前置きを加え、相手のスケジュールを優先する姿勢を示すことが大切です。

回数・頻度に注意

社外の相手にあまりに頻繁に「会わせて頂きたい」と依頼すると、相手が負担に感じる可能性があります。打ち合わせや面談が必要な場合も、「相手にメリットがあるか」「メールや電話で済む内容ではないか」を事前に見極めると良いでしょう。ビジネス敬語は丁寧であっても、多用すればいいというわけではありません。

「お会いしたいです」や「お目にかかりたいです」との違い

お会いしたい

丁寧語であり、相手を尊重する姿勢は伝わるが、謙譲表現がやや弱い。

お目にかかりたい

もう少し硬い表現で、フォーマルな文面や公式文書向き。

会わせて頂きたい

謙譲語を用いて自分がへりくだっている表現。相手の時間を割いて頂くことへの感謝と配慮が前面に出る。

いずれもビジネスシーンで用いられる表現ですが、相手へのへりくだりをより強調したい時には「会わせて頂きたい」が選ばれやすいです。

「会わせて頂きたい」を使った例文をさらに紹介

クライアントへの提案メール

○○株式会社 佐藤様
いつも大変お世話になっております。△△株式会社の鈴木と申します。
先日ご連絡いたしました新サービスの詳細に関しまして、直接ご説明させて頂きたいと考えております。
ぜひ一度会わせて頂きたいのですが、佐藤様のご都合をお伺いしてもよろしいでしょうか。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

上司への社内メール

○○部長
お疲れ様です。営業部の田中です。
来期の目標設定について詳しく相談したく、部長のお時間を少し頂きたいと考えております。
もしお差し支えなければ、今週中に一度会わせて頂きたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

協力会社へのお願い電話

「いつもお世話になっております。〇〇株式会社の山本と申します。
先日の案件につきまして、追加で資料をご用意いただく必要がありそうでして、詳しくご説明差し上げたいと思っております。
可能でしたら直接会わせて頂きたいのですが、来週あたりでご都合はいかがでしょうか?」

「会わせて頂きたい」の類似表現・言い換え

「お時間を頂戴したい」

  • 相手の時間を割いてもらうことに焦点を当てた表現。
  • 「直接お会いしてご説明するために、お時間を頂戴したいのですが…」など。

「お目にかかりたい」

  • より硬い表現、書面や公式な場で使われることが多い。
  • 「是非とも一度お目にかかりたい所存です」といった具合に、挨拶文や案内状でよく用いられる。

「お会いしたい」

  • 敬語ではあるが、謙譲度合いは「会わせて頂きたい」に比べると若干低め。
  • カジュアルなビジネスシーンや親しい間柄の取引先などで利用しやすい。

「直接お伺いしたい」

  • 訪問する意図を強調したい場合に用いられる。
  • 「詳しくお伺いしたいので、直接お伺いさせて頂いてもよろしいでしょうか?」のように使う。

    「会わせて頂きたい」を使うメリット

    相手への敬意が伝わりやすい

    単に「会いたい」と言うよりも、「会わせて頂きたい」とすることで、相手に敬意を払っているニュアンスが強まる。

    ビジネス敬語として自然なフレーズ

    ビジネスの場面で多用されている表現であり、定型文として安心感がある。

    依頼やお願いが柔らかくなる

    強制的に「会ってほしい」と言うのではなく、「お手数ですが、ぜひお願いできませんか?」という控えめな印象を与えられる。

    自分の熱意を示せる

    ただメールや電話で済ませるのではなく、「直接お会いしたい」という姿勢は、案件や相手に対する熱意や真剣さをアピールすることにもつながる。

      「会わせて頂きたい」の注意点まとめ

      「会わせて頂きたい」は謙譲語であり、適切に使えばビジネスシーンで有効な表現となります。このフレーズは、相手に都合を合わせてもらう意味を含むため、「お忙しい中恐れ入りますが」「ご都合の良い日時をお伺いしてもよろしいでしょうか」といったクッション言葉を添えるのが望ましいでしょう。

      また、「会いたい」という直接的な表現よりも柔らかく、相手への敬意を示せる一方で、多用すると相手に負担をかける可能性もあります。そのため、頻度には注意が必要です。

      類似表現として、「お目にかかりたい」「お会いしたい」「お時間を頂戴したい」などがあり、状況に応じて使い分けることで、より円滑なビジネスコミュニケーションが可能になります。

      まとめ

      「会わせて頂きたい」は、ビジネスメールや電話、口頭でのやりとりなどで幅広く使われるビジネス敬語の代表的な表現です。相手の貴重な時間を頂くため、以下のポイントを押さえておくとより効果的です。

      敬語の種類を正しく理解する

      「会わせて頂きたい」は謙譲語。自分の行為をへりくだることによって相手を立てる。

      前置きのクッション言葉を添える

      「恐れ入りますが」「お忙しいところ恐縮ですが」「ご多忙の中申し訳ございませんが」といった言葉を使い、相手を気遣う姿勢を示す。

      相手の都合を最優先にする

      いくつか候補日時を提示したり、「いつでもご都合の良いときにお知らせください」と伝えるなど、相手のスケジュールを尊重する姿勢を見せる。

      具体的な目的・メリットを提示する

      「新商品のご提案」「今後のプロジェクトの進行確認」など、会う目的を明確にしつつ、相手にもメリットを感じてもらえるよう配慮する。

      他の連絡方法との比較をする

      面談が本当に必要なのか、メールや電話だけで済むのではないかを判断する。面談の必要性が高いと判断できる場合に「会わせて頂きたい」と依頼すれば、相手の負担感も軽減される。

      言い換え表現を使い分ける

      「お目にかかりたい」「直接お伺いしたい」「ご挨拶させて頂きたい」など、状況に合わせた表現の使い分けができると、より柔軟で洗練された印象を与えられる。

        こうしたポイントを押さえながら「会わせて頂きたい」という表現を使うことで、ビジネスシーンのコミュニケーションをスムーズに進めることができます。また、ビジネスメールや電話対応、社外とのやりとりなどの場面では「会わせて頂きたい」をはじめとする敬語表現を正しく使い分けることが、信頼関係の構築に大きく寄与するでしょう。

        これらを踏まえて、ビジネスでのアポイント取得や面談の依頼をする際には「会わせて頂きたい」を上手に活用してみてください。相手に敬意を表しつつ、スムーズにアクションへ繋げることができれば、より円滑なコミュニケーションと良好な人間関係を築くきっかけとなるはずです。

        最後に、ビジネスシーンにおいては言葉遣いだけでなく、メールの形式や件名、電話のかけ方、訪問時のマナーなども重要なポイントになります。敬語表現はあくまでコミュニケーションの一部分であり、全体的なマナーや心遣いが相手に与える印象を左右します。「会わせて頂きたい」と丁寧に表現するだけでなく、適切なタイミングで相手に連絡し、事前の準備やアフターフォローを徹底することで、ビジネスパーソンとしての信用を高めていくことができるでしょう。

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