CAREER GUIDE

裁判所書記官とは?

裁判手続の記録作成・保管、法令や判例調査の補助、当事者への手続説明などを担う裁判所職員。

情報確認日:2026年8月17日

裁判所書記官は、裁判所における重要な役割を担い、裁判が円滑に進行するために事務処理や手続きを行います。裁判所の運営を支える職務であり、裁判官と協力して訴訟手続きを進めたり、訴訟記録を作成したりするなど、法律の知識が求められる専門的な仕事です。本記事では、裁判所書記官の仕事内容、年収、必要なスキル、やりがい、そして裁判所書記官になるための方法について詳しく解説します。

裁判所書記官の仕事内容

裁判手続の記録を作成・保管する

裁判所書記官は、法廷での手続や内容を法律的に構成し、必要事項を記載した調書を作成します。裁判手続に関する書類や記録を作成・保管する、裁判所法第60条に基づく専門職です。

法律で定められた手続事務を行う

執行文の付与など、民事訴訟法・刑事訴訟法等で書記官の権限として定められた事務を行います。担当業務は民事、刑事、家事、少年等の事件部門で異なります。

裁判官の調査と裁判運営を補助する

裁判官が行う法令・判例調査を補助し、弁護士、検察官、訴訟当事者等へ必要な準備を促すなど、適正・迅速な裁判を支えます。判決そのものを作成・判断する職務とは区別します。

来庁者へ手続を説明する

裁判所を訪れた人に、手続の流れや申立て方法を説明します。個別事件の法律相談や裁判官の判断を代行するのではなく、担当する手続の範囲で案内します。

裁判所書記官の給与

裁判所書記官だけを対象にした平均年収・年代別年収は、裁判所の公式採用情報では公表されていません。給与は国家公務員の俸給表、採用区分、職歴、勤務地、級・号俸、手当によって決まります。

裁判所の採用Q&Aでは、2026年4月1日現在、東京都特別区内勤務の初任給例として、総合職(院卒者区分)月30万6,720円、総合職(大卒程度区分)月29万400円、一般職(大卒程度区分)月27万8,400円、一般職(高卒者区分)月24万360円を掲載しています。

これらは裁判所職員として採用された時点の区分別月額例で、裁判所書記官単独の平均や年収ではありません。

確認ポイント:最新の採用案内で、勤務地、採用区分、俸給月額、地域手当、期末・勤勉手当、通勤・住居・超過勤務手当を分けて確認してください。

裁判所書記官になるには

裁判所職員採用試験を受ける

一般的な入口は、裁判所職員採用総合職試験または一般職試験を経て裁判所事務官等として採用されることです。「国家公務員試験に合格すれば直ちに裁判所書記官になる」という経路ではありません。

裁判所職員として一定期間勤務する

裁判所書記官養成課程の入所試験は、裁判所職員として一定期間勤務した後に受験できます。総合職の裁判所事務官として採用された人には、採用初年度に限り筆記試験の免除制度があります。

養成課程入所試験と研修を修了する

裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程入所試験に合格し、所定期間の研修で手続法、実務、法的思考等を学びます。研修修了後に裁判所書記官として職務を担います。

年度ごとの公式案内を確認する

採用区分、受験資格、試験科目、養成課程の取扱いは年度により確認が必要です。旧記事の一般的な合格率10〜20%という無出典の目安は使用しません。

裁判所書記官に求められるスキル

法律知識と法的思考力

裁判所書記官には、法律に関する深い知識と法的思考力が求められます。裁判手続きに必要な書類の作成や管理を正確に行うためには、民法や刑法などの基本的な法律の知識が欠かせません。また、裁判の進行に合わせた迅速な判断力も重要です。

正確な事務処理能力

裁判所書記官は、膨大な訴訟記録や書類を扱うため、正確な事務処理能力が求められます。書類作成や記録の保管、書類の提出や通知業務など、ミスなく確実に処理することが重要です。また、迅速に処理するためのタイムマネジメントスキルも必要です。

コミュニケーション能力

裁判所書記官は、裁判官や弁護士、訴訟当事者との連携が不可欠です。スムーズな裁判手続きの進行を支えるためには、関係者と適切にコミュニケーションを取る能力が求められます。また、訴訟関係者に対する説明や指示も行うため、分かりやすい説明力が必要です。

裁判所書記官に向いている人

正確さと慎重さがある人

調書や記録は裁判手続を公に証明する重要な文書です。事実と手続を正確に整理し、期限と取扱いを守れる人に向いています。

法律と手続を継続して学べる人

手続法や実務を学び、事件部門や制度の変更に応じて知識を更新できることが重要です。

関係者と調整できる人

裁判官、弁護士、検察官、訴訟当事者等と連携し、必要な準備や手続案内を分かりやすく伝える力が求められます。

裁判所書記官の働く環境

各地の裁判所で勤務する

地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所、高等裁判所等で、担当する事件部門に応じた書記官事務を行います。勤務地と異動範囲は採用・人事上の案内を確認します。

国家公務員の給与・休暇制度が適用される

裁判所職員には俸給、各種手当、休暇、共済組合等の制度があります。具体的な条件は勤務地、職歴、採用区分、時点で異なるため、最新の採用Q&Aを確認します。

裁判所書記官のやりがい

裁判を支える重要な役割

裁判所書記官は、裁判の進行を支える重要な役割を担っています。裁判官や弁護士と連携し、法的手続きを円滑に進めることに貢献できることは、大きなやりがいです。自らの仕事が司法の公正な運営に繋がっていると感じることができます。

公正な裁判の実現に寄与

裁判所書記官として働くことで、法の公正な適用や裁判の公正な運営に寄与することができます。法律に基づいた判断を支援し、社会の正義を実現するという社会的意義の高い仕事です。

裁判所書記官の課題

正確な記録と期限管理

事件ごとに定められた手続と期限に沿って、記録作成、送達、関係者への準備依頼等を正確に進めます。

法律知識の継続的な更新

裁判所書記官は高度な法的知識を必要とするため、養成課程修了後も担当部門の手続と実務を学び続けます。勤務時間や事件量は配属先で異なるため一律に断定しません。

まとめ

裁判所書記官は、裁判手続の記録作成・保管、法律で定められた手続事務、法令・判例調査の補助、関係者への手続説明などを担う裁判所の専門職です。

裁判所職員採用試験に合格すると直ちに書記官になるのではありません。裁判所職員として一定期間勤務した後、裁判所職員総合研修所の書記官養成課程入所試験と所定の研修を経る必要があります。

書記官単独の平均年収は公表されていません。2026年の公式初任給は裁判所職員の採用区分別・東京都特別区勤務の例であり、年収や年代別レンジへ独自換算しません。

参考